展覧会のご案内
融合する工芸
-コレが答えだ-
- 会期
- 2023年11月9日(木) 〜 2023年11月19日(日)
11:00 - 19:00 最終日は17:00まで
セイコーハウス6階
セイコーハウスホール
異なる分野の作家によるコラボレーションを試み、新しい工芸を生み出すことを目指した「融合する工芸」。和光では5年ぶり3回目となる展覧会を開催いたします。
今回は、漆芸、竹工芸、陶芸、金工、木彫、日本画、デジタルアート・建築の分野で活躍する8名が集い、お互いの素材と技を重ね合わせた独創的な作品を出品いたします。
プロジェクトの集大成として、工芸の歴史の新たなページを刻む今展をご高覧ください。
前﨑信也(京都女子大学 教授)
「融合する工芸」はこれで終わりです。
私たちが解散するということではありません。小さな工芸という世界の中だけの活動はもう終わり ということです。
2014 年の「融合する工芸」とは日本人が信じる「工芸」の常識を疑い、従来の仕組みから積極的にはみ出そうとする挑戦でした。今の我々には普通のことですが、当時は分野の異なる工芸 アーティストのコラボレーションは新しいことだと評価されました。
2016年にはフランス人の金箔造形アーティストが参加。運輸システムの発達のおかげで制作途中の作品を安全に素早く送れる。「工芸」とは社会の進歩と一体となって発展するのだと、はっきりと認識するようになりました。
デジタルアーティストの貝島佐和子さんから、伝統的な技術の足し算以外の方法を提案されたのが2018年です。「工芸」の世界に属さないアーティストとの初コラボレーションは、新しい方法は 出尽くしたと思っていた我々に可能性あふれる泉の在処を示しました。
第4回「融合する工芸 −コレが答えだ−」が動き始めたのは2021年3月のアートフェア東京でのことです。会場で新しい可能性を捜索していたメンバーの目に留まったのが日本画家の田島周吾さん。その場で参加をオファーしました。
田島さんと貝島さんは「 融合する工芸」を確実に変質させました。我々の活動の目的は工芸作家の融合ではなく、分野を問わないアーティストの融合を意味するようになったのです。そして、誰からともなく出たのが「工芸をやめよう」という声。
そうです。我々のプロジェクトの主眼は工芸の刷新ではなくなったのです。ミーティングで自分た ちを「融合」と呼び、工芸の変革など忘れて未知の「融合」について考えています。
これが10年間、私たちが紡いできた「融合する工芸」という物語の顛末です。 工芸アリガトウ。そしてサヨウナラ。
〈ギャラリートークのご案内〉
日時:2023年11月11日(土)、12日(日) 両日ともに14:00~ (予約制)
10月20日(金)より電話にて予約を承ります。
ご予約:和光 美術部 (03)3562-2111(代表)
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小黒アリサ×貝島佐和子×笹井史恵×若杉聖子
「アニミズムマーチ」
(漆 w30 × d16 × h13.5cm、磁器A w6 × d5 × h6.2cm、磁器B w6 × d6 × h5.5cm、磁器C w6.7 × d5.2 × h6.2cm、磁器D w6.2 × d4.2 × h6.4cm、磁器E w5.6 × d4.2 × h6.4cm、磁器F w6.2 × d5.5 × h6cm)
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満田晴穂×彦十蒔絵 若宮隆志
「自在大雀蜂〈女王螺鈿帳台〉」
(w5.5(本体)/13(帳台)× d4(本体)/15(帳台)× h3(本体)/4(帳台) cm)
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貝島佐和子×四代 田辺竹雲斎
「蝶無心V」(w60.5 × d60.5 × h56.5cm)
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小黒アリサ×田島周吾×田辺竹雲斎
「猫包籃」(立体)(w30.5 × d27 × h51cm)
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小黒アリサ×笹井史恵
「饅頭月兎」(w24.5 × d24 × h21cm)