アーツアンドカルチャーでは2月27日(木)から陶芸家・岡本作礼氏による個展を開催します。
佐賀県唐津市にそびえる標高887メートルの作礼山。 古くは山岳信仰の霊山とされたこの山の中腹に窯を構える岡本氏は、伝統的なスタイルを残す朝鮮唐津のほか、絵唐津、斑唐津、三島唐津など多様な技法をもちいて素材のもつ魅力をダイレクトに表現する作家です。
唐津焼第三世代を担う作家のひとりとしても知られる氏の信条は「作礼山周辺の素材で、すべてができる唐津焼を目指すこと」。
原土の選別や釉薬の原料になる長石の採取と研究、焼成に使う薪割りなど、焼きものをつくるために欠かせない自然の恵みにこだわりを持ち、地元の素材を生かしたものづくりを続けています。
また考古学的なアプローチも行なっており、古唐津の素朴で美しい陶片からいにしえの陶工たちの無言の教えを読み取り、試行錯誤を繰り返しながら、新たな唐津を焼き上げるための挑戦も試みています。
本展では、岡本氏が手がけた徳利やぐい吞みなどの酒器を中心に、茶器や花器を展示・販売いたします。
数百年前の器と対話を重ね、作礼山と向き合うなかで生まれる新しい唐津をご堪能ください。
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岡本作礼 / 唐津焼を代表する作家の一人。 原土の調達や釉薬の原料となる長石の採取・研究、焼成に使う薪選びなど丁寧に手間暇をかけ、唐津ならではの特性と土着性の表れた作品を制作している。