アーツアンドカルチャーでは2月27日(木)から特別企画「真珠織と彫刻家具と本」を開催します。
使用していくと結びに艶が生まれ、真珠の粒のように輝きを纏う。 イランのアゼルバイジャン地方モガン高原で生活を営むシャーサヴァン族が織っていた「真珠織」は技法が途絶えて、長らく“幻の織”とされていました。
今回の催しでは、ミーリー工房とソレマニエ・フィニィ工房による長年の研究と指導の末に120年の時を経て蘇った真珠織と、彫刻家・西村浩幸氏による彫刻家具、そしてブックディレクター幅允孝氏がセレクトした書籍が一堂に会します。
「彫刻家具」は西村氏をはじめ複数の木彫作家が制作・監修する“使える彫刻”。 天然木から彫り出された本棚やスツールは、その生命力溢れるフォルムで欧米でも人気を博しています。
あわせて展示空間には、イランやペルシャ絨毯、また木や彫刻に関するおよそ40冊の書物が並びます。
真珠織と彫刻家具と本。 自然素材と職人の優れた技術に思いを馳せながら、ゆったりとした時間をお楽しみください。
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西村浩幸 / 1960年大阪生まれ。 木彫作家が制作、監修する「象鯨彫刻家具」を立ち上げ。 材料は、関東エリアの伐採樹木や倒木を様々な関連事業者から貰い受けて制作。 歪みや割れ、曲がり、節だった原木からチェーンソーで切り出される作品は、荒々しく重厚であり、且つ繊細で軽快な趣もあります。 自然と作家の競作によって生まれる彫刻家具は、唯一無二の家具であり作品です。 使うほどに艶も増し、丸みを帯びた汚れや割れも表情となります。 使い手による変化も受け止める彫刻家具です。
幅允孝 / 有限会社BACH代表。 ブックディレクター。 人と本の距離を縮めるため、公共図書館を中心に病院や学校、ホテル、企業ライブラリーの制作をしている。 代表的な仕事として、「こども本の森 中之島」のディレクションや「神奈川県立図書館」再整備監修など。 近年は本をリソースにした企画、編集、展覧会のキュレーションなども手掛け活動は多岐にわたる。 京都「鈍行/喫茶芳」主宰。