展覧会のご案内
榎木孝明水彩画展
ー抱きしめたくなる景色ー
- 会期
- 2025年3月13日(木) 〜 2025年3月23日(日)
11:00~19:00 最終日は17:00まで
セイコーハウス6階
セイコーハウスホール
さまざまな土地を旅し、“今、頬に感じる風を描きたい”という思いから、一貫して現場で彩色まで仕上げる榎木孝明氏。和光では初めての個展を開催いたします。
半世紀に渡り、俳優として活躍を続けている榎木氏。求められる人物像になりきるという真剣勝負を続けながら、もう一つの自己表現の手段としてスケッチブックを片時も離さず、水彩画を描き続けられています。
「文明の中で暮らしていると、夏には涼しい風が、冬には暖かい風が…そんな人工の風に吹かれ続け、ふと気が付くと自然の風から感じる大切な何かを忘れてしまいがちです。四季折々の自然の風は、私をいつも素直にしてくれます。
だから絵を描く事は、本当の自分に戻れるような貴重なひと時なのです。景色が“描いて”と囁きかけてくれる時が、この上なく幸せな瞬間です。耳をすませば、風に乗って地球の鼓動が聞こえてくるようです。私にとって、景色を抱きしめたくなる至福の時なのです」。おだやかな眼差しで、描く事への思いを、静かに熱意を込めて語ります。
便利、快適、効率をどんどん追求していく現代社会。目まぐるしく移り行く日々を過ごしていると、自分の傍らにある美しい世界に気付かずに通り過ぎてしまうかもしれません。
今展は、「日本の忘れてはならない原風景」をテーマに、私たち日本人の琴線に触れるどこか懐かしさを感じる風景を中心に、静物画を加えた軽やかで透明感溢れる水彩画約100点をご覧いただけます。
時代の流れが大きく変わろうとしている今、少しだけ歩みを緩めて、人と自然の素敵な繋がりを思い出せる、榎木氏の水彩画の世界を訪ねてみるのは如何でしょうか。
ギャラリートークのお知らせ
3月13日(木)14:00~ オープニングトーク・詩の朗読(和胡奏者:里地帰氏)
3月16日(日)14:00~ トーク・歌(作曲家・ミュージカル俳優:沢木 順氏)
◎混雑時には入場を制限させていただく場合がございます。
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「天赦日」
山梨県(180×260mm)
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春「華やぐ季節」
京都府 鴨川(180×260mm)ほぼ毎年、時代劇の撮影で訪れる京都。撮休の日に訪れる鴨川の護岸の小径は、私のお気に入りの散歩道。恋人たちの幸せそうな姿を横目に、私は絵を描く至福の時を味わう。
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夏「たなびく雲」
山梨県 北杜市(180×260mm)山の天気は変わりやすい。さっきまでの雲は絵を描く間にも、次々と形を変えてゆく。その一瞬の姿を絵の中に閉じ込めるのも、また描く楽しみの一つである。
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秋「秋の祭典」
秋田県 羽後町(260×360mm)山が一年中で最も華やぐ季節。四季の変化は人の一生にも似て、私の人生もそろそろ晩秋に差し掛かる頃か。そんな思いで筆を走らせるのもまた悪くない。
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冬「雪のお参り」
東京都 根津神社(260×360mm)背景のビルが雪で煙る。普段見慣れているはずの景色は、いつの間にか真っ白い幻想の世界へ。山門へと続く雪の足跡を、誰かを探しながら追いかけて行く自分がそこに居た。